Pang'ono Pang'ono  

アフリカの最貧国、そしてWarm heart of Africa と呼ばれているマラウイでの生活。 Pang'ono Pang'ono はマラウイの言葉で ”すこしずつ すこしずつ” ”ゆっくり ゆっくり”という意味です。

エコツーリズム

リロングウェから車で約2時間のところにあるザラニャマ森林保護区に、
エコツーリズムのプロジェクト視察に行ってきました。

f:id:nochiko19:20130617110214j:plain

首都に水を供給するリロングウェ川源流があることから、
このザラニャマエリアの森林保護が昨年より進められています。

しかし保護区といえども、エリア内に村や学校や牧場があり、
生活している人々がいて、すぐに規制ができないのが現状です。

このエリアには炭作りに適したブラックステージアという木が生えており、違法伐採と炭作りが後を絶ちません。
電力普及率8%のマラウイでは、現在でも炭は薪とならび、主要なエネルギーです。
炭を買うお金がない家庭では木を切り薪としているので、さらに森林伐採は進んでいます。

訪れたこの日も、違法と知りながら、あちらこちらで炭作りが行われており、
1週間にわたる炭作りの行程のほとんどが1日で見れてしまう程でした。


ここでかんたんに、炭ができるまでをご紹介。

1、切り出し・・・原木をなたや斧で切り出し、窯の長さにそろえて乾燥させる。
2、窯詰め・・・1日目。原木を土で作られた窯に奥から詰める。
3、口焚き・・・2~3日目。窯で蒸し焼きし、原木の水分を抜く。不完全燃焼の状態なので白い煙が出て、燻されたにおいがする。
4、焼火・・・4~6日目。原木に点火、炭化がはじまる。窯煙が青色に変わる。
5、精煉・・・6~7日目。炭化後、窯口から空気をおくりガス分を抜き、樹皮を燃やす。青い煙がなくなったら窯止めする。
6、窯出し・・・7~8日目。徐々に温度を下げ、一晩かけて冷却する。窯口から少しづつ炭を取り出し、炭床に集め、消粉を被って消火する。

f:id:nochiko19:20130617110457j:plain


今年から違法伐採と炭作りから森林を守ろうと森林局や警察による合同パトロールが開始されましたが、生活がかかった村人との抗争はいたちごっこで、その道のりはなかなか厳しいようでした。
また1週間をかけて作られた炭が没収され、保護活動資金になっているという現実も、目の当たりにすると何か胸をつかえるものがありました。

・このエリアで暮らす人々の生活
・水源、環境として、守るべきもの
・共につくるべき未来のかたち

環境問題は机上で解決できるものではないと感じます。


また、乾期のこの時期には、東部アフリカの慣習である焼畑が行われていました。
枯草を燃やして除去し、若草を促す役割を果たすという焼畑。日本でも大文字焼など伝統的に行われていますよね。下草は燃えるが、木々は火にも燃えないという耐性ができるという自然の力に驚きます。

このエリアの木々は成長が早いため、伐採と成長のバランスが取れれば、植樹せずとも10年で元に戻るといいます。地元の十分な理解とそれに向けた保護政策がきちんと進めば、保護活動にも希望の光があるように思いました。

f:id:nochiko19:20130617121809j:plain


エコツーリズムとしての魅力としては
・首都から2時間という近さ
・平らで歩きやすい森林
・地図が既に完成している。
・Dzalanyama Forest Lodgeがある。
・Cattleランチ
・湿原という貴重な風景
・高台からの眺望
・貴重な生態系と植生

などがあげられると思います。


今回の視察を通して、環境問題だけでなく、エネルギー問題、水源を守ること、村落の収入としての産業など考えさせられました。

エネルギーが薪→炭→電気へ発展すれば環境問題が解決するわけではないことは、
これらが日本が直面している問題と同じということからも同時にいえます。

電力発電の問題、汚染が問題視されている水源、輸入に頼る安価な炭。

観光と環境は言葉が似ているだけでなく、
国際協力としても、産業としても、共に考え、共に解決していく必要があると感じました。


ところで富士山は世界遺産登録!まで辿り着いていたんですね!
日本の情報に疎くなっている自分にちょっぴり反省・・・^^;

 

このブログは6月17日の内容です。更新だいぶ遅れてごめんなさい^^;