モノがあること。モノがないこと。
世界最貧困のひとつといわれているマラウイに来て2週間。
しかし首都のリロングウェにいる限りは、道でバタバタと子どもたちが死んでいくわけはなく、スラム街で犯罪が頻発しているわけでもない。
のんびーり道行く人は、見ず知らずの人にもあたたかく「Muli Bwanji? 元気?」と声をかけ、主食であるシマをくる日もくる日も毎日食べ続ける。なんでこんなに毎日同じものばかり食べ続けられるんだろう、なんて思ってしまうけど、他のものを食べるという選択肢を持つ人はほんの一部。マラウイの最低賃金は一日働いて317KW(約113円)。主食のシマの材料であるメイズは1kgで150KW。外食のピザは1200KW。4日働いてやっとピザ一枚の計算だ。
内陸国ゆえの輸出入の難しさの問題を感じたのはまずスーパーマーケット。管理システムにも問題があるのかもしれないが、同じものが毎日同じ棚にあるということはない。昨日は満パンだったビールの棚が一晩で売り切れる。この国ではびっくりする程他の国にあるものがない。あっても輸入品は高い。
トイレットペーパーは10ロールで1000KWするし、チーズ、シャンプー、文房具は破格。この時代にスタバとマックがない国って、希少価値高くない?コカ・コーラだけはちゃんとこの国にもありますが。
マラウイに来るまでは、この最貧国で何ができるのだろう、何をしなくてはいけないのだろうと思っていたけれど、マラウイに来て、のんびーり歩く人々を見ていたら、この国に必要なものって何なんだろうと思った。
私たちが必要なものだからって、マラウイアンには必要なの?
マラウイアンはシマがおなかいっぱい食べれたらそれがしあわせだと言う。
「マラウイってどう?」って聞くと、「最高さ!」って答える。
モノがあることがしあわせだとしても、
モノがないことはふしあわせなのだろうか。
今こそ、貴重な国なのではないかと思う。
最後の Warm Heart of Africa,
この国にしかできない観光のかたちを探したい。